会社案内(民話の中の生路井) 原田酒造
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民話の中の生路井
  むかし、日本の国がまだ統一されていなくて、東国地方で、大和朝廷に、は向かう賊軍が勢力をふるっていたころの話です。
景行天皇(けいこうてんのう)の命令で、倭建命(やまとたけるのみこと)が東国の賊を征伐に出かけました。途中、尾張氏(おわりし)のもとにしばらく留まって、東征軍(とうせいぐん)の兵力を整えていた時、命は、兵を引きつれて狩りに出られました。
暑い夏の昼さがり、生路(いくじ)の里を通りかかりましたが、あまりの暑さで、一行ののどがからからにかわいてしまいました。
「水が飲みたい。どこかに井戸はないか。」命が、土地の者にたずねました。
「ここは、ご覧の通りの海辺の村で、これだけ大勢のお方に一度にお飲みいただくような井戸は、ございませんが‥‥‥。」
村人は、気の毒そうに答えました。

困 った命があたりを見わたしますと、山のふもとの崖の下に大きな岩があって、その下がしめってこけむしているところがありました。命が近寄って弓のはずを「えいっ」とばかりに突き立てますと、そこから冷たい清水がこんこんと湧き出し、たちまち泉が出来てしまいました。
「おお、水だ、水だ。」
「命のお力のなんと偉大なことか。」
「ありがたいことだ。」
「冷たくて、おいしい水だ。」
兵士たちは、命の不思議な力に驚き、命を口々にほめそやしながら、喜んでその水でのどをうるおしました。
生路井挿し絵
そ の後、この泉は、「生路井」(いくじい)と呼ばれて、村人の飲み水として、あるいは酒づくりの水として利用されてきましたが、不思議なことに、心の良くない人がこの水を汲もうとしますと、たちまち濁ってしまったといいます。そこで人々は、この井戸を神の井戸として大切にまつりました。
今、すっかりかれてしまったのは、かなしいことです。
 
愛知県知多郡東浦町発行の「ひがしうらの民話」より
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